信州*その日暮らし お金をかけない日々の記録

信州移住者による、ロハスと言えば聞こえのいい金欠生活録

【10月・ポップコーン】意外に簡単な面白作物


ポップコーンを育てる。
「コーン」というからには、育てるのは当然のごとくトウモロコシだ。

普通のトウモロコシとは違い、こいつは「爆裂種」と呼ばれるタイプで、
乾燥させた粒を油で熱すると、面白いようにハジけて
おなじみのポップコーンになる。


ポップコーンの種は、手っ取り早く買うならネットで探してもいいけど、
300円そこらのものにプラスで送料をかけるのは気が引ける。
だけどいざ店で探すと案外見つからないんだよな。


店側としては、陳列するときに扱いに困るらしく、
下手に普通のトウモロコシと並べて売って間違えて買われても嫌だろうし
(ポップコーンの粒は硬くて普通のトウモロコシのようには食えない)
作付けでたくさん実りすぎても、正直持て余すだけなので、
そもそもタネ自体にそんなに需要がないのだろう。

所詮メインにはならないお遊び作物。
トウモロコシとは離れた端っこの方に、所在無げに陳列されていることが多い。


育て方は非常に簡単で、種袋の裏側になんやかんや書いてあるが、
そんな気を使って育てなくとも、家庭菜園でほぼ放置するだけで収穫できてしまう。



さて、植え付けはゴールデンウィーク前後。
日当たりが良い場所がいいが、ほかの植物などの邪魔にならない場所に種まきする。
やたらデカくなるので、下手に畑の真ん中に撒くと、
背後が大きな日影になってしまうので注意。
畑の北の端などがベストだろう。
15~20センチ間隔くらい?かなり適当に3粒ずつくらい撒いてやる
たくさん撒きすぎに注意。1~2メートル程度も植えれば十分だと思う。

先にも書いたが、あま採れすぎると正直持て余してしまうのだ。
実際、ポッポコーンはそんなに頻繁に食うものでもないので。
ひと夏育てた分で、2、3年分はもってしまう。


さて、ポップコーンを育てる上で一番の難関は、実はこの時期にある。
これが相当ウマいらしく、撒いた種や、せっかく出た新芽が
鳥に食われてしまうのだ。
一度目をつけられたら最後。全滅するまで荒らされてしまう。
うちの作付け量だと種がやたら余るので、毎年のように撒くが、
この時期を乗り越えられるのは何年かに1度だけ。
ある年はアミを張ってみたが無駄だった。
心配なら、苗に育つまではポットとかで育ててから
植え付けるといいかもしれない。
(ならそうすればいいのに、メンドくさがってやらないの。)
だけど、毎年成っても困るからこれでヨシとしている(無計画)。


さて、モノの説明には、発芽して成長したら間引いて一本だけ残せだの、
実が成ったら、1本の幹に1房だけ残して摘み取れだの書いてあったりするが
そんなことは全く無視して伸び放題伸ばさせてやる。
普通のポップコーンと違って、びっちり粒ぞろいの実をつくる必要はないからだ。
所々育たない部分があっても、どうせ最後は粒だけを取ってしまうのだから。


さて、草丈が腰の高さくらいになったら、支柱を立ててやろう。
何列もたくさん植えるなら必要ない作業だが、
家庭菜園などで1列だけ植えた場合は、風雨で倒れてしまうのだ。


やがて夏になり、背丈をはるか超えるまで大きくなると穂が出て実が太りだす。
ポップコーンの実は、普通のトウモロコシほどは太くならないので、
そこについてはまったく心配しなくていい。
やがて、ヒゲが茶色くなったら収穫!…と普通のトウモロコシであればなるのだが
ポッポコーンの育て方はここからがちょっと違う。
慌てて収穫してしまわずに、放置プレイを楽しもう。


夏が通り過ぎ、トマトやキュウリなどの夏野菜を片付け、トンボが舞い、
中秋の名月をバックにススキが風に揺れるころになっても、まだまだ。
トウモロコシの葉が茶色くなりはじめ、不安になるが、まだ早い。

やがて栗や柿の収穫時期になり、支柱に支えられて辛うじて立っている、
そんな、これもう枯れてんじゃね?というような状態になったらいよいよだ。
ここまで待ったらもう焦る必要はないので、
雨のない晴れの日が続いたあたりを狙って収穫しよう。



収穫の仕方は、普通のトウモロコシと同じ。
上を向いているトウモロコシを、レバーを下ろすように下向きに下げ
幹についたところで、下方向に引っ張って取る
皮や実の下部分の軸はこのあとの作業で必要なので取ってしまわないこと。


収穫が済んだら、1枚ずつバナナのように皮をむく。
皮を完全に取ってしまわないように注意。
めくるとこんな感じになる。時々これ、飾ってあるの見るよね。
ひげは全部取ってしまおう。
皮をむくと虫がいたりもするが、これはどけてもいいし、そのままでもいい。
皮がむけていれば、虫は嫌がってどこかへ行ってしまう。


あとは適当に皮を縛って軒下にでもつるしてやる。
この状態で数週間乾かせば完成。
もしもポップコーンというモノに旬の季節があるのであれば、
それは晩秋なのだろうと思う。


邪魔じゃなければ、このままずっとつるしておけば構わない。
粒が透き通ってなかなか奇麗なので、飾りにしてもいいかもしれない。

いざポップコーンをつくるときに、都度ひと房だけ取って使えばいい。
水分があると爆ぜないので、水洗いしないこと。

少し多いかな?というくらいの油を引いた、フタのあるフライパンや鍋で熱すれば、
面白いように爆ぜてポップコーンの出来上がり。