信州*その日暮らし お金をかけない日々の記録

信州移住者による、ロハスと言えば聞こえのいい金欠生活録

【5月*たらの芽】~サクラチル、タラノメデル/早い者勝ち?の巻

信州の一番の花の時期は、4月中旬から5月上旬。
長い冬を耐えてきた植物たちが、一気に花を咲かせる。
早春の花と春の花が、ほぼ同時期に咲くものだから
梅も、桜も、杏や花桃、椿やコブシも、ライラックも、クリスマスローズ福寿草フキノトウとヒヤシンスとスイセンとスミレとチューリップと、、、
先を争うように一斉に咲いて、まさに壮観。
桜色と桃色の花びらが水面に浮かぶ。
そして、ソメイヨシノが満開を迎え、花吹雪がみられる頃、
タラの木が芽を吹きだす。



里の幸data
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名称タラノキ
分類ウコギ科タラノキ
分布日本全国
落葉低木。言わずと知れた山菜の雄。日当たりのよい斜面に生えるため、造成地や林道の法面に多く見かける。枝分かれせず、ひょろっと細く白い特徴的な樹形のため、遠くからでもよく視認でき、人に狙われやすい哀れな宿命の木。

タラの木が生えるのは、林などの木立の中、ではなく、
比較的日当たりのいい、木立の途切れるところ、
つまりは林の中を走る道のきわや、山裾と田んぼの境目、
そんな非常に人の目につきやすいところに生える。

目につくってことは、それを狙っている人間も多くなるわけで、毎年人知れず競争になる。
我々のような、仕事持ちで土日しかトライできない人間には分が悪い。

上記のような場所は、リタイア後のじいちゃん連中の
日課の散歩コースだったりするのでなおさらだ。
ただ、彼らはいつでも採れる余裕から、しっかり育って一番いい時にとる。
我々はその見極めにかなう直前のおこぼれにあずかるしかない。


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タラの木と遠目に間違いやすいのが、ウルシの木。
同じようなところに好んで生えて、似たようなシルエットをしている。
(写真:左がウルシで右がタラの木)
近付けば明らかに違うことに気づくので、
間違えて取って誤食することはまずないけれど、やぶを分け入って近付いたあげく違っていた時の徒労といったらない。

まぁ、知らない人のために一応違いを挙げておくが、
何より芽の出方が全然違う。見慣れないと違いが判らないのかもしれないけれど、違うと云ったら全然違うとしかいいようがない。
写真だけみて採りに行く人はともかく、慣れていれば取り間違えてかぶれる(ウルシは、樹液でかぶれるので要注意)恐れはない。
よく、トゲがあるのがタラの木で、ないのがウルシ、という人がいるけど
トゲのない、あるいは少ないタラの木も意外に多くあるのであてにならない。
まあ、そのおかげてトゲのないタラの木は採られることが比較的少ないので
おこぼれにあずかれるのだけれど。



先を越された!

今年は、金曜日の朝までは取られていないことを
通勤途中遠巻きに確認していた場所で、
土曜日の朝出向いたところ、すべて先を越されていた。クソ。


ほんの数メートル、やぶに分け入って、
トゲさえ気を付ければ簡単に取れるので、簡単にやられる。
トゲを怖がらずに、芽の部分の根元をもって折ると、簡単に採れる。
木自体を折られることを防ぐための自己防衛らしい。採りやすくしてくれているわけではない。

芽自体は結構高いところにあるが、木は意外と柔らかいので、コツさえ知っていればさほど問題はない。
先の方をしならせるのではなく、幹の中ほどを斜面側に傾ける。そうすれば、斜面の上にいる分高さを稼げる。 無理に曲げて木を折ってしまわないように!
そして、先の芽がすでに取られている木は、それ以上採らないように。
時期を置いてふたたび芽吹くとはいえ、やりすぎると木が枯れてしまうからだ。
早い者勝ちとはいえ、ひとり占めするものでもないし。

あ、あとマナーとして、民家や畑のわきに群生してあるものは決して狙わないように。
それは土地の持ち主が、意識的に残して育てているものだ。
森林公園のわきや林道の法面などにあるもので、周囲を刈り込んでいないようなところを遠慮がちに狙おう。



今年は(今年も)、目を付けていたところ数か所はすべてやられていた。
笹やぶをだいぶかき分けた先にあるものや、
結構な斜面にあるもの、採るにはちょっとかわいそうかな、と思うような小さめの芽、それらで家族分確保した。
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改めて写真撮ってみると、小さいのばっかだな。可哀そうなことをした。
天ぷらにしていただきました。ごちそうさま。また来年。



注釈